民法改正について

こんにちは!

黒木です。

以前の記事で少しふれましたが、民法が一部改正されることになりました。
昨年の2017年6月2日に公布され、そこから3年以内に施行することとされていますので2020年の施行を目指して現在準備がすすめられています。

今回改正の対象となるのは民法制定から120年間ほとんど改定されていなかった債権関係の規定についてであり、これらは不動産取引においても重要な内容が多数もりこまれていますのでご紹介させていただきます。

 

―連帯保証制度の変更―

 

連帯保証人をつける場合は、連帯保証人の責任の極度額を定めなければ連帯保証の効力は生じない(改正民法第465条の2 要約)

現在の賃貸契約における連帯保証人について、責任の極度額というのは定められていません。なので賃借人に発生した債務について、連帯保証人も同様に責任を負います。

しかし、改正民法では保証人に責任の極度額を定めることとなっていますので、あらかじめ金額を設定しておかなければなりません。
高めに設定しておくと何かあった場合には安心ですが、反対に契約時の妨げになる可能性もあります。
例えば、極度額が50万円となっていた場合、
「まぁ万が一のことが起きても大丈夫かな・・・」
と思えることも、極度額が300万円となっていると少し躊躇してしまいませんか?

このようなことから、保証人そのものになることを断られるケースも増えてくることが予想されますので【保証会社】の利用も重要になってくるでしょう。

そして極度額があることを十分に理解しておき、家賃の滞納が発生したらすみやかに対応することがこれまで以上に重要になってくるでしょう。

 

―保証契約締結時の情報提供義務―

 

事業用物件の賃貸借契約で連帯保証人をつける場合は賃借人から連帯保証人に賃借人の財産状況等を情報提供することが義務付けられた(改正民法465条の10)

保証人になるにあたって、賃借人の財産状況等、つまり保証のリスクを十分に把握していない事例が多いことから、保証人保護を目的とし賃借人による保証人への情報提供義務の規定が新設されました。

これにより賃借人が情報提供をしなかった場合、連帯保証人は保証契約を取り消すことができます。(取り消し条件あり)
ただし、連帯保証人が法人の場合は適用外であり、あくまでも個人に対してのみとなります。

今回は【保証人】に関しての改正事項を一部ご紹介させていただきましたが、この他にもまだまだ改正事項はありますので次回にまたご紹介させていただきます。