空室対策で絶対に抑えておきたい7つの基本

はじめまして。
株式会社ズーム 資産管理事業部の黒木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私が賃貸仲介を経て現在は賃貸管理業務に携わり、実際に経験したことや体験したこと、学んだこと、などなど事例等を交えながら情報を発信できればと思いますので是非、参考にしていただき今後の賃貸経営に活かしていただければと思います。

まずは、なんといっても賃貸経営において永遠のテーマである【空室対策】についてお話させていただきます。
空室対策といっても時代は日々変化しており、その方法も日々変化しております。
ですが、そんな中でも変わらないものもあるんです。
まずはその変わらないもの【絶対に抑えておきたい7つの基本】をご紹介します。

 

基本その1
≪賃料設定をするときは家賃と共益費を分ける≫

家賃を下げずに家賃を少しでも安く見せることができるからです。

入居者募集をするうえで、まず始めに賃料の設定をされますよね。
多くの賃貸物件では『家賃』と『共益費』を設定されているとおもいますが、
金額はどのように設定されていますか。

部屋探しの情報源はインターネットが8割以上というデータがあります。
もしあなたが【家賃6万円まで】で探しているとし、同じような立地・間取り条件で【家賃6万円】と【家賃5.7万円】となっている物件があった場合、どちらを先にクリックしますか?

【家賃5.7万円】の物件をクリックしますよね。
しかしこの物件は別途【共益費】が3千円必要なんです。
つまりどちらも賃料合計は6万になるので同じということです。

「ならば、共益費を7千円にして家賃を5.3万円にしたほうがいいのでは?」
となりますが、【共益費】というのは、
「共用部分における維持管理費を負担する」という認識が一般的なので、
オートロックやエレベーター、防犯カメラなど共用設備がたくさんある場合はいいのですが、そうでない場合に高額な共益費の設定は逆に不信感を与えてしまうだけです。
一般的な共益費の設定相場は2千円~5千円程度ではないでしょうか。
そこに先程の共用設備等が充実している場合は7千円程度で設定されているマンションもあります。
もしも【共益費込】と表記しているのならば、すぐにかえましょう。

 

基本その2
≪リフォーム・原状回復は最短でやる≫

リフォームが終わっていないお部屋は内覧にきても契約してもらえません。

退去後のリフォーム・原状回復はどのタイミングで行っていますか?
退去後すぐ手配してますか?入居が決まってから手配してますか?

リフォームを発注する家主や不動産会社はリフォームが終わっていなくてもリフォーム内容がわかれば完了後のイメージができます。それは経験によるものです。しかしお客様にはその経験はありませんので当然ながら完成後のイメージをすることができません。
さらに、近年、退去時の原状回復をめぐるトラブルなどもあり、完成した状態で内覧・判断をするお客様が増えているんです。

リフォーム内容に関しては一旦おいておき、まずは少しでも早く完成した状態を提供するようにしてください。

 

基本その3
≪綺麗にするのは室内だけではダメ≫

「物件の顔」であるエントランスが綺麗でなければいくら部屋を綺麗にしても決まりません。

部屋を見に来たお客様が部屋に入る前に必ずみる部分があります。
それは建物のエントランスや駐輪場・ごみ置き場などの共用部分なんです。

私が実際にご案内したお客様で、「エントランスが汚いから」と部屋を見ることもなく帰られた方もいるぐらいです。
エントランスが汚れていたり、ごみ置き場が散らかっている、自転車置場が整理されていないという状況は、ちゃんと管理されていない印象を与え、またマナーの悪い入居者が多いのだという印象を与えてしまいます。
エントランスの汚いマンションに入居率のいいマンションはありません。

 

基本その4
≪募集看板で物件の認知度をあげる≫

募集看板はここが賃貸物件であるということや現在募集中であるということの目印になります。
見ている側は意識していないのですが実はとても効果的なのです。

今はインターネットで部屋を探すことが多いので看板を見て問い合わせをする人は減りましたが、実際、店頭でお客様と話をしている際に「○○の看板がついているところは空いてますか」なんていう会話が結構あるんです。
それぐらい、お客様にとってはひとつの目印となっているんです。

ただし、看板をつけるときには注意点があります。
どこかに管理委託している場合はその管理会社、募集のみを任している場合は募集窓口会社の看板でいいのですが、もしそうでない場合は、あらゆる不動産会社の看板が入り乱れてしまうことがあります。
そういった場合はつける場所を指定したり、看板の大きさを指定するなど整理をしなければ、これも前述の話同様、汚い印象を与えマイナスイメージになってしまいます。

 

基本その5
≪案内鍵がどこにあるかで案内回数がかわる≫

案内鍵の手配をしにくい物件は案内回数が格段に減ります。

部屋を案内してもらうときの案内方法はどうしていますか?

1.オーナーが立ち合いでカギを開ける
2.近くの仲介業者にカギを預けている
3.開けたままにしている

もし今①の方法でしているのであれば案内の機会を損失しているかもしれません。
これは、例えば
ペットボトルのジュースを買いたいとします。
1.電話で事前に予約して、指定された時間・場所で買う。
2.朝9時から夜7時まで営業してる売店で買う。
3.24時間作動している自動販売機で買う。

どこで買いますか。という話です。
私なら売店か自販機で買いますね。

案内時の立ち合いはオーナーにとっては、「どんな人が見に来ているのかを自分の目でみることができる」などのメリットがありますが、仲介営業マンやお客様にとっては、「時間を合わせなければいけない」や「オーナー不在の時は見れない」などデメリットが多いのです。

では②を選んでいる場合。
このパターンが一番多いのではないでしょうか。
しかしここにも注意点があります。
仲介業者がそのカギをどのように取り扱っているか。
マンション内にキーボックスを設置し、暗証番号を伝えて案内する方法や玄関ドアにダイヤル錠をつけて案内する方法。このあたりであればベストでしょう。
ですが、仲介業者の店舗まで借りにいかなければならいという場合はその仲介業者の「定休日」や「営業時間」、「スタッフの数」を確認しておく必要があります。
「定休日で案内できなかった」「閉店時間が早く夕方の案内ができない」「スタッフが外出中で借りれなかった」などというケースもあります。

そして最後に③の場合。
これが最も案内をしやすい方法です。ただし防犯上のデメリットがありますのでこまめな巡回が必要となります。

 

基本その6
≪募集窓口は1店舗でも情報は全店舗で共有すべき≫

お客様が部屋探しをするとき、不動産会社店舗への訪問数の平均が1.6店舗というデータがでています。

ある駅の周辺に不動産店舗が10店舗あるとします。
募集窓口の1店舗のみにしか情報が無い場合、お客様はその物件に出会える確立は10分の1です。
これが10店舗全てに情報が行き渡っていれば、お客様がどのお店に行ってもその物件に出会うことができるのです。

自社での仲介を優先するがあまり、他社へ情報を発信していないということが時々見受けられます。
「あのお店に行かなきゃ見れない物件」よりも「どこのお店でも見れる物件」であることが必要です。

 

基本その7
≪巡回をしなければすべてが台無し≫

リフォーム完了後、すぐに契約・入居になるとは限りません。
リフォーム後のこまめな巡回による室内の点検やメンテナンスをすることで常にいい状態をキープしておかなければいけません。

放ったままにしておくとせっかくリフォームをして綺麗にした部屋も、ほこりだらけになってしまったり、排管が乾いて害虫が発生したり異臭を放ったりするなど案内時のマイナス要素が増えてしまいます。
巡回を行い、窓を開け、空気を入れ替えたり、水を流して排管が乾かないようにするなどのメンテナンスをしましょう。
巡回をしているうちに思わぬ発見をすることもありますしね。

 

 

まとめ
今回、お話したことは「そんなことはもうやってるよ」という方も多いかと思いますが、もし一つでもかけていることがあれば、それは機会を少なくともひとつは失っているということなんです。
そしてどれも簡単に、費用をかけることなくできることなのでまだしていないことがあれば実施してみてください。
もちろんこれらは基礎中の基礎といったところなので、これをもとにどのように進化・変化・発展させていくのかは今後ご紹介させていただきます。